動物病院への通院、電車での帰省、車での旅行。犬と一緒に出かける場面では、キャリーやカートがあると移動がぐっと楽になります。でも、クレート、ショルダーバッグ、リュック、スリング、カートと種類が多く、どれを選べばよいか迷ってしまいますよね。
この記事では、犬用キャリー・カートの選び方を、電車・車・徒歩・旅行など移動の手段別に整理しました。タイプ別の違い、大きさや安全面で確認したいポイント、車に乗せるときに守りたい道路交通法のルールも、獣医師監修の情報やJAFの情報をもとにまとめています。

車で旅行に行くときは、助手席に乗せていたんですが……。それって大丈夫ですか?
- 移動の手段別に合うキャリー・カート
- クレート・バッグ・リュック・スリング・カートの違い
- 選ぶときに確認したい5つのポイント
- 車に乗せるときのルールと注意点
- キャリーに慣らす方法
結論:1つ目は「自立するクレート」、用途に合わせてバッグやカートを足す
結論:車移動・避難にも使える自立するクレートを基本に、徒歩や電車用のものを追加する
まず1つ用意したいのは、自立する素材のクレート(持ち運べるケージ)です。布製のものは倒れて体を痛めるおそれがあるため、自立するものを少なくとも1つ用意することがすすめられています(出典:ペットファミリー損保(獣医師監修))。車での移動や災害時の避難にも使えます。
そのうえで、徒歩や電車での移動が多いならバッグやリュック、長い距離のお散歩やシニア犬にはカートなど、移動の手段に合わせて追加すると使い分けがしやすくなります。
| 移動の手段 | 合いやすいタイプ | ポイント |
|---|---|---|
| 車 | クレート | 後部座席などのフラットな場所に置き、シートベルトなどで固定する |
| 電車・バス | クレート、バッグ | 交通機関ごとに大きさ・重さ・料金のルールがある |
| 徒歩(通院・お散歩) | リュック、スリング、カート | 両手が空くか、長く歩けるか |
| 旅行・帰省 | クレート+カート | 移動中も宿でも使える |
| 災害時の避難 | クレート、キャリーバッグ | 普段から慣らしておく |

犬用キャリー・カートの選び方とタイプ別の違い
| タイプ | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| クレート(ハード) | 自立して形がくずれない。車や避難に使いやすい | かさばる。重め |
| ショルダー・トートバッグ | 軽く、持ち運びやすい | 肩に負担がかかる。中で姿勢が不安定になりやすい |
| リュック | 両手が空く | 背中側で様子が見えにくい。揺れやすい |
| スリング(抱っこひも) | 体に密着して安心しやすい。短時間の移動に便利 | 小型犬向け。飛び出し防止のリードが必要 |
| カート | 長い距離でも飼い主の負担が少ない。シニア犬や多頭飼いに便利 | 段差や階段に弱い。置き場所が必要 |
※メリット・注意点は一般的な傾向です。
選ぶときに確認したい5つのポイント
- 大きさ:中で無理なく伏せができて、方向転換できるくらいが目安(出典:東京ウエスト動物病院)
- 耐荷重:犬の体重より余裕のある耐荷重のものを選ぶ。子犬は成長後の体重も考える
- 飛び出し防止:中にハーネスとつなぐリードやフックがあるか。ふたや扉がしっかり閉まるか
- 通気性:メッシュ窓など、空気の通り道が十分にあるか
- 持ち運び・収納:重さ、折りたためるか、車や玄関に置けるか

カートやバッグに乗せるときは、中のフックとハーネスをつないで、急に飛び出さないようにしてね。首輪ではなくハーネスにつなぐほうが、首への負担が少ないよ。
車に乗せるときのルールと注意点
犬をひざの上に乗せて運転したり、車内で自由に動き回らせたり、走行中に窓から顔を出させたりすることは、道路交通法第55条第2項(乗車又は積載の方法)に違反するとされています(出典:JAF Mate)。運転の妨げになるだけでなく、急ブレーキのときに犬がけがをするおそれもあります。
- クレートに入れる犬はクレートやキャリーに入れて乗せます。
- フラットな場所に置いて固定する後部座席などのフラットな場所に置き、走行中はシートベルトなどで固定します(出典:JAF Mate)。
- こまめに休憩する1〜2時間おきにはサービスエリアなどで休憩をとり、水を飲ませたりトイレを済ませたりします(出典:JAF Mate)。
- 車内に残さない冷房の効いていない車内はわずかな時間でも非常に高温になります。短時間でも車から離れるときは一緒に行動しましょう(出典:環境省)。
JAF Mateでは、秋でも車内の温度が50℃を超えることがあると紹介されています(出典:JAF Mate)。夏だけでなく、日差しの強い日は季節を問わず、車内に犬を残さないことを徹底しましょう(出典:環境省)。

助手席で自由にさせるのは違反になるんですね。クレートを後ろの席に固定するようにします。
電車・徒歩・旅行で使うときのポイント
電車・バス
電車やバスにペットを乗せる場合は、キャリーの大きさ・重さ・料金などのルールが交通機関ごとに決められています。体の一部や顔を出したままでは乗れないことが一般的なので、利用する会社の案内で事前に確認しましょう。
徒歩・通院
両手が空くリュックやスリングは、徒歩での通院や短いお出かけに便利です。夏の日中は地面からの照り返しも強いため、移動は涼しい時間帯にしましょう。
旅行・帰省
移動中はクレート、現地ではカートやバッグ、と組み合わせると便利です。宿によっては館内でのカート利用やケージの持ち込みにルールがあるため、予約の前に確認しておきましょう。

シニア犬で長く歩くのがつらくなってきたら、カートがあると一緒にお出かけを楽しめるよ。歩ける距離だけ歩いて、疲れたらカートに乗せる使い方もできるんだ。
キャリー・クレートに慣らす方法
キャリーやクレートは、普段から慣れさせることが大切です。動物病院に行くときなど、嫌なことが起きるときだけ使うのは避けましょう(出典:ペットファミリー損保(獣医師監修))。部屋に出しておき、中でおやつをあげるなどして「よいことがある場所」と覚えてもらいます。クレートに慣れていると、災害時の避難でも落ち着いて過ごしやすくなります(出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」)。
よくある質問
車の助手席にクレートを置いてもいいですか?
JAF Mateでは、後部座席などのフラットな場所に置き、シートベルトなどで固定することが紹介されています。助手席はエアバッグが作動したときの影響も考えられるため、後部座席に置くほうが安心です。
カートは小型犬しか使えませんか?
中型犬以上に対応した大きさ・耐荷重のカートもあります。犬の体重と体の大きさに合うか、耐荷重に余裕があるかを確認して選びましょう。
スリングは長時間使ってもいいですか?
スリングは体に密着して犬が安心しやすい一方、飼い主の肩や腰に負担がかかり、犬も同じ姿勢が続きます。短時間の移動に使い、長く歩くときはカートなどと使い分けるとよいでしょう。
旅行のとき、宿でもクレートは必要ですか?
慣れたクレートがあると、知らない場所でも落ち着いて休みやすくなります。宿のルールで、客室内ではケージに入れるよう決められている場合もあります。
キャリーの中でトイレをしてしまったら?
ペットシーツを敷いておくと片付けが楽になります。長い移動の前にはトイレを済ませ、こまめに休憩をとりましょう。
参考・出典
- JAF Mate「愛犬と快適ドライブのために注意したいこと」(確認日:2026年10月2日)
- ペットファミリー損保「どんなクレートがおすすめ?選び方とクレートトレーニングのメリット」(獣医師監修)(確認日:2026年10月2日)
- 東京ウエスト動物病院「キャリーの選び方」(確認日:2026年10月2日)
- 環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」(確認日:2026年10月2日)
- 環境省「防ごう!ペットの熱中症」(確認日:2026年10月2日)
まとめ
- 1つ目は自立するクレート。車移動や災害時の避難にも使える
- 徒歩や電車が多いならバッグ・リュック、長い距離やシニア犬にはカートを追加する
- 大きさ・耐荷重・飛び出し防止・通気性・持ち運びやすさを確認する
- ひざの上や車内で自由にさせるのは道路交通法違反。クレートを固定して乗せる
- 普段から慣らしておき、車内には短時間でも犬を残さない
移動の手段に合ったキャリーとカートを選べば、犬とのお出かけがもっと安全で楽しくなります。
