引っ越しは、人にとっても大仕事ですが、ペットにとっても大きな環境の変化です。荷造りで部屋が変わったり、知らない人が出入りしたり、新しい家のにおいに戸惑ったり。さらに犬の場合は、役所での手続きも必要になります。
この記事では、ペットと引っ越しをするときの準備と手続きを、物件探しから引っ越し当日、新居に慣れるまでの流れに沿って整理しました。犬の登録の変更やマイクロチップの情報更新など、忘れやすい手続きも、自治体や環境省の情報をもとにまとめています。

来月引っ越す予定です。犬の手続きって、役所で何かする必要がありましたっけ?
- ペットとの引っ越しの流れ
- 犬の登録変更とマイクロチップの情報更新
- 物件探しで確認すること
- 引っ越し当日の移動と脱走対策
- 新居に慣れるまでのポイント
結論:手続きは「30日以内の届け出」と「マイクロチップの情報更新」
ペットと引っ越しするときの流れ
- 物件探し(1〜2か月前)ペットの飼育ができる物件か、犬の大きさや頭数の制限がないかを確認します。
- 動物病院を探す(1か月前)新居の近くの動物病院を調べ、かかりつけの病院でワクチンの記録や持病の情報をもらっておきます。
- 荷造り(2週間前〜)ペット用品は最後まで使うので、まとめて最後に梱包します。キャリーは部屋に出して慣らしておきます。
- 引っ越し当日ペットは別の部屋やキャリーで過ごさせ、脱走を防ぎます。移動はキャリーやクレートで。
- 新居に着いたらまず1部屋をペット用に整え、少しずつ家に慣らします。
- 引っ越し後30日以内犬の登録の変更(またはマイクロチップの情報変更)を済ませます。

犬の登録変更とマイクロチップの手続き
犬の手続きは、マイクロチップを登録しているかどうかで変わります。自治体の案内をもとに整理すると、次のとおりです(出典:江戸川区・大阪市)。
| 状況 | 手続き | 期限 |
|---|---|---|
| マイクロチップの登録がない犬 | 新住所の市区町村に所在地の変更を届け出る。他の市区町村から転入した場合は、前の鑑札を新しい鑑札と交換する | 30日以内 |
| マイクロチップを環境省に登録している犬 | 環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」で登録事項を変更する。窓口での届け出が不要になる自治体もある | 30日以内 |
| 猫(マイクロチップ登録あり) | 環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」で登録事項を変更する | 変更があったとき |
※出典:江戸川区「飼い犬の登録・変更などの手続き」・大阪市「引越しに伴う飼い犬登録の手続き」をもとに作成。手続きの方法や手数料は自治体によって異なるため、新住所の自治体で確認してください。
江戸川区の場合、区外に引っ越すときは江戸川区での手続きは不要で、転出先の市区町村での届け出が必要とされています(出典:江戸川区)。マイクロチップの情報が古いままだと、迷子になったときに連絡が届かなくなるため、猫も忘れずに更新しましょう(出典:環境省)。

迷子札の住所や電話番号も、引っ越したら新しいものに替えておいてね。新しい家の周りは、ペットにとって知らない場所だから、迷子になると帰ってこられないことがあるんだ。
物件探しで確認すること
- ペット飼育の可否:「ペット相談可」の場合、飼える動物の種類・大きさ・頭数を必ず確認する
- 規約や条件:共用部分ではキャリーや抱っこで移動するなど、ルールがあるか
- 敷金・原状回復の条件:ペットによる傷や汚れの扱い
- 周りの環境:お散歩コース、近くの動物病院、交通量
- 部屋のつくり:脱走防止の柵を付けられるか、窓やベランダの形、床が滑りにくいか
引っ越し当日の移動と脱走対策
引っ越し当日は、玄関の扉が長い時間開いたままになり、知らない人が出入りします。猫は、引っ越しなど環境の変化があったときに脱走しやすいとされています(出典:ピースニャンコ)。
- 搬出・搬入の間は、ペットを扉を閉めた別の部屋やキャリーで過ごさせる。家族や知人に預ける方法もある
- ペット用品(フード・水・トイレ用品・薬・キャリー)は、引っ越し業者に預けず手元に置く
- 車で移動するときは、クレートを後部座席などに固定し、こまめに休憩をとる(出典:JAF Mate)
- 新居に着いたら、キャリーの扉は部屋の扉と窓を閉めてから開ける

引っ越し当日は、猫をキャリーに入れて、いちばん最後に運び出すようにします。
新居に慣れるまでのポイント
猫は「環境の変化」にとても弱く、生活パターンや住居が変わると、トイレを失敗するなどの問題が起きることがあるとされています(出典:環境省「猫の適正譲渡ガイドブック」)。新居に慣れるまでは、次のような工夫をしましょう。
- まずは1部屋だけをペット用に整え、慣れてきたら少しずつ行ける範囲を広げる
- 前の家で使っていたベッド・毛布・トイレ・食器をそのまま使い、においで安心できるようにする
- トイレの砂は急に変えない(急に変えると使わなくなることがある)
- ごはんの時間やお散歩の時間など、生活のリズムをできるだけ前と同じにする
- 食欲がない、トイレの様子がおかしいなどが続くときは、新しい動物病院に相談する

新しい家に着いたら、まず水とトイレの場所を教えてあげてね。いつものベッドがあるだけで、ずいぶん落ち着くんだよ。
よくある質問
犬の登録の変更を忘れるとどうなりますか?
狂犬病予防法にもとづき、所在地などに変更があった場合は30日以内に届け出ることが求められています。迷子のときに鑑札の番号から飼い主にたどり着けなくなるおそれもあるため、早めに手続きを済ませましょう。
マイクロチップの情報変更はどこでできますか?
環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」のサイトで、登録事項の変更ができます。登録していれば、市区町村の窓口での届け出が不要になる自治体もあります。
長距離の引っ越しはどうすればいいですか?
車で一緒に移動する方法のほか、ペットの輸送サービスを利用する方法もあります。長時間の移動はペットの負担になるため、休憩の計画を立て、体調に不安がある場合は事前に動物病院に相談しましょう。
引っ越し後、猫が隠れて出てきません。
新しい環境に慣れるまで、隠れて過ごすことはよくあります。無理に引っぱり出さず、水・ごはん・トイレを近くに用意して、自分から出てくるのを待ちましょう。食べない日が続く場合は動物病院に相談してください。
新居で迷子になったらどうすればいいですか?
新しい住所の地域の保健所・動物愛護センター・警察・動物病院に連絡し、家の周りから探しましょう。猫は家の周囲の狭くて暗い場所に隠れていることがあります(出典:環境省)。
参考・出典
- 江戸川区「飼い犬の登録・変更などの手続き」(確認日:2026年10月3日)
- 大阪市「引越しに伴う飼い犬登録の手続き」(確認日:2026年10月3日)
- 環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録について」(確認日:2026年10月3日)
- 環境省「猫の適正譲渡ガイドブック」(猫のトイレを考える)(確認日:2026年10月3日)
- ピースニャンコ「猫の脱走防止対策!」(確認日:2026年10月3日)
- JAF Mate「愛犬と快適ドライブのために注意したいこと」(確認日:2026年10月3日)
- 環境省「迷子にさせてしまったら」(確認日:2026年10月3日)
まとめ
- 犬は引っ越しから30日以内に新住所の市区町村で届け出る。転入時は鑑札を交換
- マイクロチップ登録済みなら、環境省のサイトで登録事項を変更する(猫も同じ)
- 物件は、飼える動物の種類・大きさ・頭数と、規約を必ず確認する
- 当日は別の部屋やキャリーで過ごさせ、搬出・搬入中の脱走を防ぐ
- 新居では1部屋から慣らし、前と同じ寝具・トイレ・生活リズムで安心させる
手続きと当日の準備を早めに整えておけば、ペットも新しい暮らしにスムーズに慣れていけます。
