動物病院に連れて行くとき、引っ越しや帰省のとき、そして災害で避難するとき。猫を移動させる場面では、キャリーが欠かせません。でも、いざ選ぼうとすると、ハードタイプ、布製のバッグ、リュック型など種類が多く、どれがよいのか迷ってしまいますよね。
この記事では、猫用キャリーの選び方を、タイプ・大きさ・扉の位置と開け方・安全性・持ち運びやすさの5つのポイントで整理しました。動物病院の獣医師がすすめる条件や、環境省の防災ガイドラインの考え方をもとに、キャリーに慣らす方法もまとめています。

病院に連れて行くとき、猫がキャリーから出てこなくて困ったと聞きました。選び方で変わりますか?
- 獣医師がすすめるキャリーの条件
- キャリーを選ぶ5つのポイント
- ハード・ソフト・リュック型の違い
- 病院・旅行・災害など使う場面別の選び方
- キャリーに慣らす方法
結論:「上のふたが外れる」「入口が2か所」のハードタイプが基本
結論:動物病院では、上のふたが外せて扉が2か所あるハードタイプがすすめられることが多い
怖がりな猫は、自分からキャリーを出てくることがほとんどありません。上のふたを丸ごと外せるキャリーなら、無理に引っぱり出さずに済みます。正面と上の2か所から出し入れできるものだと、その時の様子に合わせて対応できます(出典:リベ大どうぶつ病院・東京ウエスト動物病院)。
素材は、安定感のあるハードタイプがすすめられています。大きさは、キャリーの中で無理なく伏せができて、ぐるりと一周回れるくらいが目安です(出典:東京ウエスト動物病院)。

猫用キャリーの選び方|5つのポイント
1. タイプ:ハードかソフトか
動物病院では、安定感があるハードタイプがすすめられることが多く、怖がりな猫にはハードタイプのほうが安心とされています(出典:リベ大どうぶつ病院)。布製のソフトタイプは軽くて持ち運びやすい反面、形がくずれやすく、中の猫が不安定になりやすい点に注意が必要です。
2. 大きさ
小さすぎると猫が窮屈に感じ、大きすぎると移動中に中で体が動いて不安定になります。中で無理なく伏せができ、ぐるりと一周回れる大きさが目安です(出典:東京ウエスト動物病院)。子猫のうちに買う場合は、成長後の体の大きさも考えておきましょう。
3. 扉の位置と開け方
上のふたが外せて、入口が2か所あるものが使いやすいとされています。開け閉めに時間がかかると、その間に暴れたり飛び出したりするおそれがあるため、すぐに開け閉めできることも大切です。チャック式のバッグは開け閉めに時間がかかるのが難点とされています(出典:リベ大どうぶつ病院)。
4. 安全性
扉やふたの留め具がしっかりしているか、持ち手が丈夫かを確認しましょう。通気口が十分にあるかも大切です。ハードタイプは、本体の上下が確実に固定できるものを選びます。
5. 持ち運びやすさ
電車やバスで移動する場合や、災害時に歩いて避難する場合は、重さや持ちやすさも重要です。肩にかけられるベルトが付いているか、両手が空けられるかも確認しましょう。

病院で上のふたを外せると、キャリーに入ったまま診察を始められることもあるんだ。猫にとっても、慣れた場所にいられるほうが安心だよ。
タイプ別の違い
| タイプ | メリット | 注意点 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ハードタイプ(プラスチックなど) | 形がくずれず安定している。丸洗いしやすい | かさばる。重め | 通院、車での移動、災害時の避難 |
| ソフトタイプ(布製) | 軽い。たたんで収納できるものもある | 形がくずれやすい。チャック式は開け閉めに時間がかかる | 短時間の移動、慣れている猫 |
| リュック型 | 両手が空く。歩いての移動がしやすい | 背中側で猫の様子が見えにくい。揺れやすい | 歩いての避難、徒歩での通院 |
※メリット・注意点は一般的な傾向です。
1つ目のキャリーには、通院にも災害時にも使いやすいハードタイプを選び、必要に応じてリュック型などを追加するのがおすすめです。

犬の場合も、ハードタイプのほうがいいんでしょうか?

小型犬なら考え方は猫とほとんど同じだよ。ただ、犬はカートやスリングなど選択肢がもっと多いから、別の記事で詳しく紹介するね。
使う場面別の選び方
動物病院へ通院する
上のふたが外せて、入口が2か所あるハードタイプが向いています。周りの様子に強く反応する猫は、キャリーをタオルで覆うと落ち着きやすくなります。待合室では、床に置かずにひざの上や椅子の上に置くとよいとされています(出典:東京ウエスト動物病院)。
旅行・帰省で電車や車に乗る
電車やバスにペットを乗せる場合は、キャリーの大きさ・重さ・料金などのルールが交通機関ごとに決められています。利用する会社の案内で、事前に確認しましょう。車で移動する場合は、キャリーが動かないようにシートベルトなどで固定します。
災害時に避難する
環境省のガイドラインでは、キャリーバッグやケージは猫や小動物の避難時に欠かせないアイテムとされています。また、洗濯ネットは、屋外での診療や保護のときに役立つとされています(出典:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」)。避難用には、すぐに取り出せる場所にキャリーを置いておきましょう。
キャリーに慣らす方法
キャリーを「病院に連れて行かれる箱」と覚えてしまうと、見ただけで逃げるようになります。普段から慣らしておくことが大切です。
- 部屋に出しっぱなしにする扉を開けた状態で部屋に置き、自由に出入りできるようにします。
- 中を居心地よくするお気に入りの毛布やタオルを入れ、中でおやつをあげて「よいことがある場所」にします。
- 扉を閉める練習をする中でくつろげるようになったら、短い時間だけ扉を閉め、すぐに開けて褒めます。
- 持ち上げて少し動く家の中で持ち上げて少し歩き、移動に慣らします。
環境省のガイドブックでも、子猫のころからケージに慣れていると、災害時や入院時にも役立つとされています(出典:環境省「猫の適正譲渡ガイドブック」)。

病院に行くときだけ出していたので、普段から部屋に置いておくようにします。
よくある質問
キャリーの中にリードを付けたまま入れてもいいですか?
キャリーの中ではリードを外し、首輪か胴輪だけにしておく方法が紹介されています。リードが中で絡まるのを防ぐためです。
夏にキャリーで移動するときの注意点は?
車内やキャリーの中は高温になりやすいため、移動は涼しい時間帯にし、短時間でも車内に置いたままにしないようにしましょう。保冷剤を使う場合は、猫がかじらないようタオルで包むなど工夫してください。
多頭飼いの場合、キャリーは何個必要ですか?
1匹に1つ用意するのが基本です。災害時に一度に運べるかどうかも考えて、家族で役割分担を決めておきましょう。
リュック型は猫にとって負担になりませんか?
両手が空くので歩いての移動には便利ですが、揺れやすく、背中側で様子が見えにくい点に注意が必要です。普段から慣らしたうえで、猫の様子を見ながら使いましょう。
キャリーの掃除はどうすればいいですか?
ハードタイプは分解して丸洗いできるものが多く、清潔に保ちやすいのが利点です。移動中に粗相したときのために、ペットシーツを敷いておくと片付けが楽になります。
参考・出典
- リベ大どうぶつ病院「獣医師が教える!猫のキャリーケージ、おすすめと選び方」(確認日:2026年10月2日)
- 東京ウエスト動物病院「キャリーの選び方」(確認日:2026年10月2日)
- 環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」(確認日:2026年10月2日)
- 環境省「猫の適正譲渡ガイドブック」(確認日:2026年10月2日)
まとめ
- 基本は上のふたが外れて入口が2か所あるハードタイプ
- 大きさは、中で無理なく伏せができて、ぐるりと一周回れるくらいが目安
- すぐに開け閉めできるものを選ぶ。チャック式は開け閉めに時間がかかる
- キャリーは災害時の避難にも欠かせない。すぐ取り出せる場所に置く
- 普段から部屋に出しておき、「よいことがある場所」として慣らす
使いやすいキャリーを選んで普段から慣らしておけば、通院も避難も、猫にとってぐっと負担の少ないものになります。
