犬の歯磨きは大切だと聞くけれど、歯ブラシを見せただけで逃げてしまう。口をさわると嫌がって、どこから始めればいいかわからない。そんな悩みを持つ飼い主さんは少なくありません。
この記事では、犬の歯磨きのやり方を、頻度の目安、口にさわられることへの慣らし方、デンタルおやつから歯ブラシへ進むレベル別の方法、磨く順番と力加減に分けて整理しました。獣医師監修の情報をもとに、歯ブラシ・シート・おやつなどグッズの選び方もまとめています。

歯ブラシを口に入れようとすると、すごく嫌がるんです。
- 犬に歯磨きが必要な理由
- 頻度の目安
- 口にさわられることへの慣らし方
- レベル別のデンタルケアの方法
- 磨く順番・力加減とグッズの選び方
結論:できるだけ毎日、最低でも3日に1回。口にさわる練習から段階を踏む
結論:「3日かけて全体を磨く」つもりで、毎日少しずつ。嫌がる犬はデンタルおやつ・おもちゃから始める
犬の歯は、汚れが歯垢になると2〜3日で石灰化して歯石になるとされ、歯石になると歯磨きでは取りのぞけません。そのため、できるだけ毎日、最低でも3日に1回は歯磨きをすることがすすめられています(出典:ペティオ(獣医師監修))。
嫌がる犬に長い時間の歯磨きは難しいため、3日かけて全体を磨くつもりで、毎日少しずつ進めましょう。初めての犬や過去に嫌がった犬は、デンタルおやつ → デンタルおもちゃ → 歯磨きシート・歯ブラシの順にステップアップする方法があります(出典:ペティオ(獣医師監修))。
| レベル | 方法 | ポイント |
|---|---|---|
| レベル1 | デンタルおやつ(歯磨きガムなど) | いちばん手軽。目の届く範囲で与える |
| レベル2 | デンタルおもちゃ | 遊びながらケア。あくまで補助 |
| レベル3 | 歯磨きシート・歯ブラシ | シートから始めて歯ブラシへ |
※出典:ペティオ「愛犬の歯磨き頻度は3日に1回?」(獣医師監修)をもとに作成。おやつ・おもちゃだけでは口の中全体の汚れは落とせません。
犬に歯磨きが必要な理由
歯周病は、歯にたまった歯垢や、歯垢が硬くなった歯石が原因で、歯肉炎や歯周炎になる病気です。放っておくと歯肉や歯を支える骨が溶け、歯が抜け落ちてしまいます。犬の口の中はアルカリ性で、人より歯周病菌が増えやすい環境とされ、3歳以上の犬の8割以上が歯周病、あるいはその予備軍であるといわれています(出典:ペティオ(獣医師監修))。
歯周病は年齢を重ねるほどリスクが高まりますが、若い犬でも起こる病気です。一度なると完治が難しいため、子犬のうちから歯磨きに慣れておくことがすすめられています(出典:ペティオ(獣医師監修))。口臭が気になる、歯ぐきが赤い、歯石がついているなどの様子があれば、動物病院に相談しましょう。

歯石になってしまうと、おうちの歯磨きでは取れないんだ。だから「歯石になる前に落とす」ことが大切なんだよ。
歯磨きを始める前に:口にさわられることに慣らす
いきなり口に手や歯ブラシを入れると、犬はびっくりして歯磨きが嫌いになってしまいます。次の順番で、少しずつ慣らしましょう(出典:ペティオ(獣医師監修))。
- 遊びのつもりで口のまわりをさわるリラックスしているときに、なでたりタッチしたりして、口のまわりをさわる時間を少しずつのばします。正面から手を出すのを怖がる犬には、耳の前や横から手を出します。
- 唇をめくって歯にふれる口のまわりをやさしくつかんでも嫌がらなければ、唇をそっとめくり、指の腹で歯や歯ぐき、奥歯にふれます。
- 歯ブラシに慣らす歯ブラシのにおいをかがせたり、じゃれつかせたりして、怖いものではないと知ってもらいます。
- 歯ブラシで歯にタッチする慣れてきたら、歯ブラシで口の外側や、唇をめくった歯・歯ぐきに軽くふれてみます。

犬の歯磨きのやり方|磨く順番と力加減
いきなり歯ブラシを当てるのが不安な場合は、指に巻いて使う歯磨きシートから始めても構いません。指で直接歯にふれながら汚れを落とせるため、歯ブラシより怖がりにくいとされています(出典:ペティオ(獣医師監修))。
- 犬歯から磨くいちばん大きくて丈夫な犬歯から始めると、飼い主は磨きやすく、犬の負担も少なくなります。前歯は嫌がる犬もいるため、少しずつ慣らします。
- 奥歯を磨くあごを押さえながら上唇をめくり、奥歯を少しずつ磨きます。上あごの一番奥にある大きな奥歯(第4前臼歯)は特に歯垢や歯石がつきやすいため、注意して磨きます。
- 歯の内側を磨く上あごをやさしく持ち上げて口を開かせ、上の歯の裏側、下の歯の順に磨きます。歯と歯ぐきの間は、歯ブラシを45度の角度でやさしく当て、汚れをかき出します。
手順の出典:ペティオ(獣医師監修)。力の目安は、自分の歯を磨くときの10分の1くらいの感覚とされています。力を入れてゴシゴシ磨くと、次から嫌がるだけでなく、歯ぐきの後退にもつながってしまいます(出典:ペティオ(獣医師監修))。

奥歯までは、まだ磨かせてくれそうにありません。

今日は右側、明日は左側というように、日によって分けてもいいんだ。上手にできたら、たくさんほめてあげてね。
歯磨きグッズの選び方
- 犬用の歯ブラシ:人用だと、子ども用でもヘッドの大きさやブラシの硬さが合わず、嫌がる原因になることがある
- 歯磨きシート:指に巻いて使う。歯ブラシが苦手な犬、子犬、シニア犬にも
- デンタルおやつ:手軽に始められる。食べ方によってはのどに詰まらせることもあるため、与えっぱなしにせず目の届く範囲で
- デンタルおもちゃ:遊びながらケアできる補助的なグッズ
グッズの出典:ペティオ(獣医師監修)。デンタルおやつやおもちゃは補助で、歯磨きと組み合わせて使うのが基本です。おやつは1日の食事量の中で調整しましょう。犬のおもちゃ選びの注意点は「犬のおもちゃの選び方」で解説しています。
家庭で歯磨きを続けやすいケース
- 口にさわられることに少しずつ慣らせる
- 毎日短い時間を習慣にできる
- シートやおやつで段階的に進められる
動物病院に相談したいケース
- 歯石がついている、口臭が強い
- どれだけ工夫しても強く嫌がる
歯石に気づいたら、動物病院で取りのぞいてもらいましょう。どれだけ工夫しても嫌がる場合は、無理強いせず動物病院に相談することがすすめられています(出典:ペティオ(獣医師監修))。子犬を迎える準備は「犬を飼うときに必要なもの一覧」にまとめています。
よくある質問
犬の歯磨きはどのくらいの頻度ですればいいですか?
毎日が理想ですが、嫌がる場合は3日に1回、もしくは3日かけて全体を磨くつもりで少しずつ進めましょう。
子犬にも歯磨きは必要ですか?
歯周病は若い犬でも起こることがあります。子犬のうちから口にさわられることや歯磨きに慣れておくと、成犬になってからも続けやすくなります。
デンタルガムだけで十分ですか?
デンタルおやつだけでは、口の中全体の汚れは落とせません。歯磨きと組み合わせましょう。
人用の歯ブラシを使ってもいいですか?
人用は子ども用でも、ヘッドの大きさやブラシの硬さが合わないことがあります。犬用の歯ブラシを使いましょう。
歯石がついてしまったら、家で取れますか?
歯石は歯磨きでは取りのぞけません。動物病院で取ってもらいましょう。
参考・出典
- ペティオ「愛犬の歯磨き頻度は3日に1回?デンタルケアと歯ブラシのやり方を解説」(獣医師監修)(確認日:2026年10月3日)
まとめ
- 犬の歯垢は2〜3日で歯石になるとされる。できるだけ毎日、最低でも3日に1回磨く
- まずは口のまわりや歯にさわられることに慣らしてから始める
- デンタルおやつ → おもちゃ → シート・歯ブラシの順に段階を踏む
- 犬歯 → 奥歯 → 内側の順に、自分の歯の10分の1くらいの力でやさしく
- 歯石や強い口臭があれば、動物病院に相談する
少しずつ慣らして毎日の習慣にすれば、歯磨きは愛犬の健康を守る大切な時間になります。
